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研究内容

Key Words:哺乳類の基礎生態、行動生態学、個体ベース研究、種間関係

​識別したカモシカの顔と名前

動物​の行動・社会を探る
直接察」「個体識別」​​「長期調査」

 ​カモシカのある個体が「ほかの個体とどんな関係を持って生活しているのか?」や「どんな一生を送るのか?」を、動物の行動を直接自分の目で観察する「直接観察」と見た目の特徴から個体を識別し一頭づつ名前をつける「個体識別」をおこなうことにより調べています。

 直接観察と個体識別を長期的に継続することにより、「どんなオスが多くのメスと交尾ができるのか?」や「どんなメスが生涯に多くの子を残せるのか?」、「子の性比はどのように決まるのか?」、「子はどのように分散するのか?」などの行動生態学のメインテーマに取り組んでいます。

​捕獲したシカにGPS首輪を装着する

​観察の難しい動物の行動と生態を探る
「生体捕獲」「個体標識」「糞分析」

 観察の難しい種や個体数の少ない希少種の行動と生態を、生体捕獲や発信器(GPS、VHF)による個体追跡、標識再捕獲、糞の分析(食物組成、栄養、ホルモン、DNA)、痕跡調査、ライトセンサス、カメラトラップ、バットディテクターなど様々な手法を使って調べています(e.g., シカの空間行動・群れ行動・採食生態、ノウサギの生息地選択・採食生態、コウモリ類のねぐら生態・採食生態・出巣行動)。誰も知らない野生動物の行動と生態の発見を目指します。

​様々な環境に生息するカモシカの行動の比較

​行動と生態の適応的意義を探る
「種内変異」

 生息環境に応じた行動や生態の「種内変異」に着目することにより、それらの機能や適応的意義にアプローチしています。例えばテングコウモリでは、環境条件の異なる複数のねぐらで出巣行動を観察し、どのような環境条件が出巣のタイミングを左右するのかを調べています(捕食リスクと採餌利益のトレードオフ)。シカでは、生息環境や個体群密度の異なる条件で群れサイズを比較し、群れサイズの決定機構(最適群れサイズ)を調べています。

 ​​野生動物の行動の機能や適応的意義についてはまだまだわかっていないことだらけで、ワクワクする研究課題がたくさんです。

​同所的に生息する複数のコウモリ類の種間関係

似たもの同士の関係を探る
「種間競争」「資源利用」「干渉」

 同じ場所に生息する似た動物種が「どのように共存しているのか?」もしくは「どのように競争しているのか?」を、食性や生息地利用、活動リズムなどを調査することにより調べています(e.g., テングコウモリVSコテングコウモリ)。観察が可能な種間であれば、異なる種間が実際に出会ったときの交渉を観察することにより、直接的な干渉の有無を調べています(e.g., シカVSカモシカ)。また、種間競争の長期的な影響を評価するため長期的な個体数変動も調査してます。

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